ルネサス エレクトロニクス株式会社(CEO:柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、32ビットマイコンRXファミリのRX65Nが、米国国立標準技術研究所(NIST)が定めるセキュリティ要件を規定するFIPS140-2の認証制度であるCMVP(Cryptographic Module Validation Program)において、レベル3の認証を取得したことを発表します。FIPS140は、政府や金融機関、公共、インフラで使用されるアプリケーションには必須のセキュリティ要件であり、事実上、世界的なセキュリティ基準となりつつあります。レベル3とは、HSM(ハードウェア・セキュリティ・モジュール)やICカードなど、金融情報などを取り扱う機器に対してタンパ検出・応答やIDベースの認証機能などを要求する高いセキュリティレベルです。RX65Nはレベル3を取得した世界で初めて(注1)の汎用マイコンとなります。ユーザは機器開発において、この第三者機関の認証を受けたRX65Nを使用することにより、堅牢で信頼されるセキュリティの実現が容易となるため、工数を削減しながらセキュリティリスクを低減させることができます。
ルネサスのIoTプラットフォーム事業部の事業部長、伊藤 栄は次のように述べています。「IoT機器はネットワークに接続されることにより、データの盗聴や改ざん、なりすましなどの様々な悪意ある脅威にさらされるため、セキュリティはますます重要になっています。今回、RXマイコンがCMVP認証のレベル3を取得したことにより、お客様はセキュリティ専用チップを使用しなくても強固なセキュリティを構築できるようになり、安全なIoT機器開発が加速することができます。」
ルネサスの32ビットマイコンであるRX65Nは、セキュリティ、コネクティビティ、HMI(Human Machine Interface)機能を搭載した産業機器やIoT機器に最適な汎用マイコンです。RX65Nは、ハードウェアセキュリティエンジンとして、すでにCAVP認証(注2)を取得しているトラステッドセキュアIP(TSIP)を搭載しています。TSIPは、AES、SHA、RSA、ECC用暗号エンジンと真性乱数生成器(TRNG)、暗号化鍵管理機構を有しており、強固なセキュリティ機能を実現します。さらにRX65Nは、バックグラウンドオペレーション(BGO)とSWAP機能をサポートするデュアルバンクフラッシュメモリに対応しているため、システム制御やネットワーク制御機器のセキュアで信頼性の高いファームウェアのアップデートが可能となり、プログラムの改ざんなどを防止します。
なお、RX65NがCMVP認証のレベル3を取得したことから、同じTSIPを搭載するRXファミリのRX651、RX66N、RX72N、RX72Mにおいて、同等のセキュリティを実現することが可能です。
また、ルネサスは早期開発を支援するため、ルネサスの製品群を組み合わせたソリューション「ウイニングコンビネーション」を200種類以上提案しています。例えば、RX65Nと各種センサを組み合わせた「クラウド型セキュリティ&センサソリューション」により、ユーザはセンサデータを安全かつ容易にクラウドサービスへアップロードすることができます。
RX65Nの詳細は、こちらをご覧ください。
http://www.renesas.com/rx65n
RXセキュリティソリューションの詳細はこちらをご覧ください。
https://www.renesas.com/rx-security-solution
ルネサスのRXマイコンファミリについて
RXファミリは、高い演算性能と優れた低消費電力性能を実現する、ルネサス独自のRXコアを搭載した 32ビットマイコンです。 RXファミリは、最も高速で高機能なRX700シリーズをフラッグシップに、スタンダードなRX600シリーズ、 低消費電力と高性能のベストミックスを実現したRX200シリーズ、超低消費電力のエントリモデルである RX100シリーズの4シリーズを展開しています。これら4シリーズにより、小規模アプリケーションから大規模 アプリケーションまで、シームレスかつスケーラブルに対応可能です。RXファミリの詳細は、こちらをご覧ください。www.renesas.com/rx
以 上
(注1)ルネサス調べ
(注2)CAVP(Cryptographic Algorithm Validation Program)認証: NISTによる、暗号アルゴリズムの実装に対する認証制度
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