80V対応の双方向昇降圧DC/DCコントローラ「ISL81801」と、デュアルフェーズ降圧DC/DCコントローラ「ISL81802」を発売

　ルネサス エレクトロニクス株式会社（CEO: 柴田　英利、以下ルネサス）は、このたび、データセンタのサーバ、48Vテレコム、および過酷な環境下で使用される産業用機器に必要な電圧マージンをさらに拡大できる80V対応のDC/DCコントローラ2種「ISL81801」、「ISL81802」を発売しました。

　昇降圧コントローラISL81801は、定電圧・定電流レギュレーションを利用して双方向電流（順電流および逆電流）に対応します。1つのコントローラとMOS FETを使うだけで、バッテリやスーパーキャパシタの充電と放電を行うことができるため、「オンチップUPS（無停電電源装置）」のような役割を果たします。業界最高クラスとなる80V、昇降圧スイッチング周波数（600kHz）と最小パッケージ（5mm×5mm）のISL81801を使用すれば、超小型・高密度の電源ソリューションの設計が可能です。入力電圧範囲は4.5V～80Vと広いため、48Vモータドライブ、テレコム、産業用バッテリバックアップシステム、太陽光発電など、多くの用途に最適です。

　デュアルフェーズ降圧コントローラISL81802は、ドライバ内蔵の80V対応デュアルフェーズ同期整流降圧コントローラです。1MHzのスイッチング周波数に対応可能な80V対応降圧コントローラであり、小型の電源用インダクタを複数使用して電力密度を高めることができます。より高出力の用途向けには、複数のISL81802を並列接続し、インターリーブ動作を行うことにより非常に速い過渡応答を実現できます。ISL81802は、2系統の独立した出力、または単一の高電流出力のどちらにも対応可能なため、電源エンジニアは非常に柔軟に電源設計を行えます。これに加え、定出力電圧および定電流を供給する機能を備えているため、LEDドライバなどへの少しの給電から、規模の大きなデータセンタシステム内の気流を最大化する送風機への大きな給電に至るまで、多様な用途に利用できます。

　ルネサスのインダストリアルA&P事業部、事業部長のPhilip Chesleyは、次のように述べています。「新たな80V対応双方向昇降圧コントローラISL81801は、好評を博している60V対応のISL81601および40V対応のISL81401に続く製品です。これらを当社のマイコンやパワー、アナログ製品と組み合わせることにより、バッテリや電力の利用を最適化するためのさまざまな選択肢を提供します。高度に集積されたISL81801とISL81802は、ルネサス独自の変調スキームとアルゴリズムを活用することにより、最小限の部品点数で、最高の信頼性とパフォーマンス、素早い過渡応答を実現しました。」