6月21日~23日、ルネサスはEmbedded Worldに170m2のブースを構え、半導体メーカーの中でも最大規模の出展を行いました。IoT、無線接続、センサーソリューションなどの産業向けソリューションに加え、自動車向けソリューション(E/Eアーキテクチャの変化、ADAS、電気自動車)が展示されました。
E/E Architecture
ルネサスは、R-Car S4をベースにコネクテッドカーとクラウドサービスを安全にデータ接続するコミュニケーション・ゲートウェイと、RH850/U2Bを用いたゾーンECUアプリケーションを展示しました。自動車に搭載されるECUの数を実質的に減らすためには、物理的なECUを共有する上で、複数の仮想ECUとして機能を統合する必要があります。この課題に対するソリューションとして、ETASとルネサスが共同で開発したハイパーバイザー関連のSWシステムを導入しました。さらにルネサスは、インテリジェントパワーデバイス(IPD)をベースにしたe-Fuseボードを発表しました。 電子ヒューズは、将来の配電システムに不可欠なコンセプトであり、eヒューズはメンテナンスフリーな取り扱いを可能にします。E/Eアーキテクチャの分野では、新しい10Mbit通信規格(CAN XLと10Base-T1S)を搭載した車載ネットワーク・デモを展示しました。このデモでは、ソフトウェア設計とハードウェアアクセラレータにより、ゲートウェイ・アプリケーションで必要となるプロセッシングを軽減することを示しました。
ADAS
ルネサスは、展示プラットフォームにて、R-Car V3HとV2Mを搭載したスマートカメラソリューションを展示しました。このADASシステムソリューションは、ルネサスのエコシステムパートナーであるLUPA社のDeep Learning EagleCAMをベースにしたインテリジェントカメラ向けのすぐに利用可能な開発環境です。またルネサスは、自動運転レベル2+/3に対応したR-Carファミリーの新メンバーであるR-Car V4Hを発表しました。加えて、イメージングレーダーのターンキーソリューションや、ルネサスR-CarのSoCに特化したPMICも発表しました。
xEV
ルネサスは、「Winning Combinations」と呼ばれる、ルネサス+インターシル+IDT+ダイアログの3社の製品の組み合わせを展示し、ルネサスと買収した3社の組み合わせとしての技術的な優位性を強調しました。これらの組み合わせは、お客様の設計を加速し、市場投入を早めるための包括的なソリューションです。
ワイヤレスバッテリーマネージメント:MCU、BMIC(セルバランシングIC)、ワイヤレストランシーバー、アプリケーションモデル、ソフトウェアの組み合わせ
車載用誘導型位置センサ:コスト最適化、軽量化、小型化を実現し、厳しい機能安全が要求される自動車アプリケーションをサポート。
48V 補機用インバータソリューション:レゾルバレスポジションセンサのコンセプトに基づき、チップセットの削減、機能統合レベルの向上、すべてのコンポーネントの相互運用性が実証された、コスト効率の高いソリューション。
ルネサスブースで紹介されたソリューションは、ルネサスがもはや純粋なMCUやSoCのサプライヤーではなく、アナログ&パワー製品でポートフォリオを大幅に拡大し、包括的なソリューションを提供していることを明確に示しました。
今年のイベントは、例年に比べて来場者、出展者ともに少なかったものの、情報交換、ニュースやトレンドの発見、膨大な数の顧客とのミーティングなど、忙しい時間を過ごすことができました。今回のイベントで一番嬉しかったことは、2年半のパンデミックからようやく再び人と面と向かって話ができるようになったことです。
ミュンヘンのエレクトロニカで、またお会いできることを楽しみにしています。