本ページでは、RZ/V2Lの評価環境立上げから、サンプルプログラム実行までの手順を説明します。(RZ/V2MAはこちら)
(DRP-AI単体の評価を行う場合、AI Evaluation Softwareをご使用ください。 Evaluation Softwareの使用方法等についてはDRP-AI Support PackageのRZ/V2L, RZ/V2M, RZ/V2MA AI Evaluation Software Guide revision 7.50 (PDF | English, 日本語)をご参照ください。)
RZ/Vシリーズに関してもっと詳しく
RZ/V2MA Getting Started はこちら
RZ/V2L MPU
以下の手順でRZ/V2L MPUを用いたAIアプリケーションを簡単にお試しいただけます。
Step1: 評価ボードの入手
RZ/V2L Evaluation Board Kit (EVK) はRZ/V2Lの評価に最適なボードキットです。 MIPIカメラモジュールが同梱されており、 以降の手順に従って環境構築することで、すぐにRZ/V2Lの評価が始められます。
Step2: Linux環境の入手
RZ/V2L向けRZ/V Verified Linux Packageがご利用いただけます。以下から最新の環境を入手してください。
RZ/V Verified Linux Package v3.0.4 (ZIP)
以下ドキュメントの手順に従ってUbuntu PC上に環境を構築してください。
Linux Start-up Guide (PDF)
(本ドキュメントはRZ/V Verified Linux Packageに同梱しています)
<Start-up Guideを参照する上でのポイント>
- VLPの詳細についてはRZ/V Verified Linux Package [5.10-CIP]参照してください。
- Table1のLinux PC環境のご準備をお願いします。
- 2. Build Instructionsの手順に従ってビルドを実施してください。ビルドには数時間かかることがあります。
- 後述のDRP-AIのAI推論サンプルアプリケーション実施のためにはRZ MPU Graphics Libraryが必要になります。
以下から対応するバージョンの評価版をダウンロードして、2章(2)の手順で適用してください。
RZ MPU Graphics Library Evaluation Version for RZ/V2L - オフライン環境でのビルドを行う場合、2章(5)の手順に従ってビルドを行ってください。
Step3: EVKのセットアップ
準備した環境を用いて、EVK上でLinux環境を起動してみましょう。
Linux Start-up Guide (PDF)
(本ドキュメントはRZ/V Verified Linux Packageに同梱しています)
Step3-1:EVKにFlash Writerを使用してBootloaderを書き込みます。
<ポイント>
- 4章の手順に従って、Flash Writerの書き込み後、Flash Writerを使ってBootloaderを書き込みます。
- 本手順では4.1.1章に記載されているSCIF Download Modeを使用します。
- Flash WriterおよびBootloaderはStep2で生成したものを使用してください。(ファイル格納場所はビルド実行した階層下のディレクトリ build/tmp/deploy/images です。Table 3に記載されているBoot loaderとFlash Writerの各ファイルを使用してください。)
- 出荷時にEVKにBoot loaderが書き込まれていますが、必ずStep2でお客様が生成したBoot loaderをお手元のEVKに書き込んでご使用いただくようお願いいたします。
- ネットワークブートをご使用の場合はRZ/V2L DRP-AI Support Package Version 7.41 Release Note (PDF)の4章をご参照ください。
Step3-2:SDカードをUbuntu PC上で作成します。
<ポイント>
- 3.1章の手順に従ってSDカードのパーティションを作成してください。
- Linux Kernel/Device tree/root filesystemはStep2で作成したものを書きこんでください。
Step3-3:作成したSDカードをEVKボードに挿入してLinux環境を起動します。
<ポイント>
- 4.5章の手順に従って、SW11の設定変更、U-Boot環境変数の設定後、Kernelを起動します。
- 本手順ではQSPI Boot(1.8V) Modeを使用します。
ここまででLinux環境の起動(Login)ができました。
Step4: DRP-AI環境の適用
次に、DRP-AI環境の適用を行います。Ubuntu PC上で、RZ/V2LのDRP-AI機能をサポートするRZ/V2L DRP-AI Support Packageがご利用いただけます。以下から最新の環境を入手してください。
RZ/V2L DRP-AI Support Package Version 7.40(Zip)
環境構築の際は以下のドキュメントの手順に従ってください。
RZ/V2L DRP-AI Support Package Version 7.41 Release Note
(PDF)
(本ドキュメントはRZ/V2L DRP-AI Support Packageに同梱しています)
<ポイント>
- DRP-AI Support Packageの詳細についてはRZ/V2L DRP-AI Support Packageをご参照ください。
- Step2で構築した環境に対して、3.2章の手順に従ってビルドを実施してください。
- Step3までにSDカードへ書き込んだデータを、本ステップで作成したものに差し替えてください。
- Step2で展開したRZ MPU Graphics Libraryのmeta-rz-teatures.tar.gzと同じ名称のmeta-rz-features.tar.gzを3.2.3章の手順に従って展開すると、meta-rz-featuresフォルダの下に本Package用の差分がマージされます。
Step5: DRP-AIサンプルアプリケーションのビルド
Step4で入手したRZ/V2L DRP-AI Support Packageに同梱されるサンプルアプリケーションをクロスコンパイルするための、SDK環境をUbuntu PC上で構築し、サンプルアプリケーションをビルドします。
Step5-1:SDK環境を構築します。
RZ/V2L DRP-AI Support Package Version 7.41 Release Note
(PDF)
(本ドキュメントはRZ/V2L DRP-AI Support Packageに同梱しています)
<ポイント>
- 6章の手順に従って、SDK環境のコンパイルと設定を行います。
Step5-2:サンプルアプリケーションをSDK環境でビルドします。
RZ/V2L DRP-AI Sample Application Note revision 7.50
(PDF)
(本ドキュメントはRZ/V2L DRP-AI Support Packageに同梱しています)
<ポイント>
- 2章の手順に従って、サンプルアプリケーションをビルドします。
- 作業フォルダをAPP_WORKとして設定し、そこにサンプルアプリケーションを展開してください。
- Sample Application NoteのTable1.2に同梱するサンプルアプリケーションの一覧を示します。サンプルアプリケーションの詳細は各説明ページを参照してください。
- まずは、EVKに同梱されているMIPI Camera Module(OV5645)を使用したアプリケーション(Darknet Tiny YOLOv2 MIPI Camera version)でお試しいただくことを推奨します。
Step5-3: ビルドしたアプリケーションをSDカードに保存します。
RZ/V2L DRP-AI Sample Application Note revision 7.50
(PDF)
(本ドキュメントはRZ/V2L DRP-AI Support Packageに同梱しています)
<ポイント>
- 3章の手順に従って、Step4で作成したSDカードに作成したアプリケーション実行環境を保存します。
Step6: DRP-AIサンプルアプリケーションの実行
Step5-3で作成したSDカードをStep4で設定したEVKに挿入し、サンプルアプリケーションを実行してみましょう。
Step6-1:ボードの電源を入れてLinuxを起動します。
<ポイント>
- Step3でEVKのセットアップ済のため、ここでは電源を入れるだけでLinuxが起動します。
Step6-2:アプリケーションを実行します。
RZ/V2L DRP-AI Sample Application Note revision 7.50
(PDF)
(本ドキュメントはRZ/V2L DRP-AI Support Packageに同梱しています)
<ポイント>
- 4章の手順に従って、サンプルアプリケーションを実行してください。
- Table1.2にそれぞれのサンプルアプリケーションの入出力データおよび使用しているAIモデルを記載していますので、確認してください。
- Input ImageがMIPIカメラのアプリケーション向けにはEVKに同梱のMIPIカメラモジュールをご使用いただけます。
- Input ImageがUSB Cameraのアプリケーション向けには、お客様の方でUSBカメラをご準備ください。
関連情報:
RENESAS.info
( エンジニアからの、エンジニア向け情報 )
Option1: Simple ISP環境の入手とサンプルアプリケーションの実行
RZ/V2LのSimple ISP機能をサポートするRZ/V2L ISP Support Packageがご利用いただけます。
(注意)
RZ/V2L ISP Support Packageを適用すると、EVK同梱のMIPIカメラモジュールの内臓ISP機能が無効になるため、Step5で実施した下記のRZ/V2L DRP-AI Support Package同梱サンプルアプリケーションが使用できなくなります。
- app_tinyyolov2_cam
- app_hrnet_cam
- app_hrnet_pre-tinyyolov2_cam
RZ/V2LのSimple ISP機能を使用したい場合のみ、RZ/V2L ISP Support Packageを適用してください。詳細はRZ/V2L ISP Support Package 注意事項をご参照ください。
RZ/V2L ISP Support Package Version 1.30 (ZIP)
環境構築の際は以下のドキュメントの手順に従ってください。
RZ/V2L ISP Support Package Version 1.30 Release Note
(PDF)
(本ドキュメントはRZ/V2L ISP Support Packageに同梱しています)
<ポイント>
- ISP Support Packageの詳細についてはRZ/V2L ISP Support Packageを参照してください。
- Step4で構築した環境に対して、2章の手順に従ってビルドを実施してください。本パッケージの適用には、RZ/V2L DRP-AI Support Packageまでを適用した環境が必要になります。
- RZ/V2L ISP Support Packageを適用することで、DRP-AI推論とSimple ISPの両機能を使用するDarknet Tiny YOLOv2 ISP versionのサンプルアプリケーションを実行することができます。
- DRP-AI Support PKGと同じ名称の圧縮フォルダ(meta-rz-features.tar.gz)を解凍しますが、meta-rz-featuersフォルダ下に自動でマージされます。
また、RZ/V2L ISP Support PackageにはSimple ISP単体の機能を試せるサンプルアプリケーションが同梱されています。詳細は以下のドキュメントを参照してください。
RZ/V2L Simple ISP Sample Application Note Revision.1.30 (PDF)
Option2: AIモデルを変更する
サンプルとして提供しているAIモデル以外のモデルを使用する場合は、以下のガイドに従ってください。
RZ/V2L, RZ/V2M, RZ/V2MA AI Implementation Guide Get Started revision 7.50
(PDF | English, 日本語)
(本ドキュメントはRZ/V2L DRP-AI Support Packageに同梱しています)
<ポイント>
- Implementation Guideはモデル共通部分(Get Started)と、モデル個別部分(Pytorch ResNet, Darknet YOLO等)に分かれております。上記リンクはGet Started のみですので、ご使用のモデルに合わせてモデル個別部分はRZ/V2L DRP-AI Packageから入手してください。