HVACのモータコントロール
各空調方式で使われるモータの制御対象となる機器を下表に示します。省エネへの要求から、モータ可変速制御でのインバータ適用、ブラシレスDCモータ化が進んでいます。また、室内機や室外機では一つの機器内で複数のモータを制御する場合があります。
ルネサスでは、誘導モータ、ブラシレスDCモータ、ステッピングモータに分類し、それぞれに適した制御方式の開発キットをご用意しています。
また、複数のモータを制御することができるよう、ローエンドからハイエンド、低消費電力、FPU(浮動小数点演算処理装置)機能搭載マイコンなど、様々な製品ラインナップをご用意しています。
セントラル空調方式のモータ制御機器
機器 | モータ制御対象 |
---|---|
AHU | ファン |
FCU | ファン |
VAV | ダンパ |
外調機 | ファン |
冷凍機 | コンプレッサ |
熱源機 | ファン |
冷却塔 | ファン |
給水ポンプ | ポンプ |
冷却水ポンプ | ポンプ |
個別空調方式のモータ制御機器
機器 | モータ制御対象 |
---|---|
室内機 | ファン、ダンパ |
室外機 | ファン、コンプレッサ |
外調機 | ファン |
HVACの通信ネットワーク
各空調方式によらず、機器間は有線/無線のネットワークで接続され、制御や状態監視を行うことが一般的です。特に、ビル・オートメーションでは、BACnet(※)を使って、メーカが異なるHVAC機器を接続し、ビルの管理システムを構築しています。
セントラル空調方式と個別空調方式の、各HVACシステム通信についての概念図(下図)を示します。 フィールドレベル(下位レイヤ)では、各メーカごとに独自プロトコルを採用しているケースがありますが、オートメーションレベル(上位レイヤ)では、ビル管理システムと接続する目的で、オープンプロトコル(BACnet)を採用するケースが多く見受けられます。
セントラル空調方式では、各センサとVAV又は汎用コントローラ間の通信に、デジタル信号(DI及びDO)とアナログ信号(4~20mA電流)が用いられています。長距離、耐ノイズがあることが要求されるため、ルネサスではPLC(電力線通信)を応用した通信ソリューションを提案しています。
*BACnet(Building Automation and Control Networking protocol)は、オープンプロトコルとして、1995年にASHRAE(米国冷暖房空調工業会)によって制定され、2003年には国際標準規格 ISO16484-5として採用。
HVACのユーザインタフェース
個別に設定温度を調整する場合には、FCU、VAV、室内機用リモコンなど、HMI技術により画面操作する機器が採用されています。
最近の傾向として、従来の機能が固定されたメカニカルキー(機械式スイッチ)が、「タッチキー」に置き換えられるケースが見受けられます。斬新なデザインを可能とする、複雑で高度な操作を直感的に行える特徴を有し、高いノイズ耐性、更に水濡れ、汚れや温度変化などの環境耐性が必要となります。ルネサスでは、これらの要求・課題を解決したHMIソリューションをご用意しております。
HVAC向けセンサー製品
ビルオートメーションに必要となる技術であるセンサーのラインナップが加わりました。様々なケースに応じたセンサーが紹介でき、空気質の向上・快適なビル空間作りをサポートします。