環境活動
環境に対する取り組み | 環境保全の目標 | 気候変動への取り組み | 水資源を守る | 廃棄物に対する取り組み | 化学物質への対応 | エコプロダクト活動 | エココミュニケーション活動 | 生物多様性保全活動 | 環境データ・第三者検証
エコプロダクト活動
ルネサスはエコプロダクト活動として、環境配慮型製品の創出や省エネルギー化に貢献する製品・ソリューションの提供に取り組んでいます。
環境配慮型製品の創出
環境配慮型製品(エコプロダクト)創出の実現には、開発→調達→製造→使用→廃棄といった製品のライフサイクル全ステージで環境負荷を低減することが重要です。ルネサスのエコプロダクトは、製品環境負荷低減策をトータルで評価する製品環境アセスメント*1の実施(プロダクトスチュワードシップ)により実現しています。製品環境アセスメントでは、開発時と量産前の2段階に分けて検証・評価しています。
また、当社は製品環境アセスメントを新製品開発における必須事項として規則化すると共に、新製品の開発に係るプロジェクトリーダーや今後の候補者に対する教育などを通じてプロダクトスチュワードシップの必要性について社内啓蒙を図っています。
*1:本製品環境アセスメントは現在旧ルネサス製品のみに実施していますが、今後、範囲の拡大を検討しています。
各段階でのエコプロダクト活動
製品環境アセスメント
環境に配慮した製品を創出する方法として開発・設計フローに環境負荷改善度を評価する製品環境アセスメントを組み入れています。評価では、減量化・製品の安全性・省エネなど8項目において基準製品*2との比較を行います。
製品環境アセスメントの8項目
安全性評価 | 省資源・省エネ評価 |
---|---|
|
|
アセスメントの判定はアセスメントを実施する開発製品の設計部門および第三者の判定として本社 環境部門が行います。判定結果として、以下の3項目に該当する場合は製品化を原則不可としています。
- 製品および生産工程で使用禁止物質の使用が有る場合
- 製品および生産工程で新規に使用する材料のSDS*3の登録が無い場合
- 生産工程で使用する新規材料の新材料事前審査が実施されていない場合
また、判定結果において、基準製品よりも環境性能が改善されていない製品については、当該設計部門にて改善の検討や開発継続可否の判断をします。
環境アセスメントの確実な推進は、ルネサスの半導体製品への安心・信頼を醸成すると共に、製品自体の環境性能をさらに向上させ、最終的に当社の製品を使用されるお客様の環境負荷も低減できると考えています。
*2:アセスメントを実施する新規開発製品とほぼ同じ用途・機能・性能の一世代前の製品。但し一世代前の製品が無い場合は、当該製品自体を基準製品とする。
*3:Safety Data Sheet(安全データシート)とは、危険性または有害性のおそれがある 化学物質を含む材料について、サプライヤから提供される対象化学物質等の性状や取り扱いに関する情報文書。
ルネサス グリーンデバイス
環境行動指針(全ライフサイクルで環境に配慮した半導体製品を創出)に基づく環境配慮型製品の創出に対応した製品の研究開発・設計を促進するため、環境負荷低減への寄与が大きい製品をグリーンデバイスとして認定しています。
グリーンデバイスの認定は、開発を完了し量産に移行する前の製品を対象として実施します。認定方法として、基本的には、まず製品環境アセスメントの結果を元に当該製品が基準製品よりも資源(質量)、エネルギー(消費エネルギー)、化学物質(ルネサス使用削減物質の含有量)の3つの項目において環境性能が優れているか否かを確認します。そして基準製品よりも優れていると判定された製品は、その改善率が10%以上であれば「ルネサス グリーンデバイス」とし、社内認定をしています。
2023年度のルネサスの新製品開発に占めるルネサス グリーンデバイスの割合*4は96%、売上に占める同割合*5は系列製品を含め約60%でした。
評価項目 | 基準製品と新製品の比較 | ルネサス グリーンデバイス | |
---|---|---|---|
省資源評価 |
| 10%以上削減 | 96% 新製品開発に占めるルネサス グリーンデバイスの割合*4 |
省エネルギー評価 |
| ||
化学物質含有量評価 |
|
*4:旧ルネサス製品の2023年度に開発した品種数に占めるルネサス グリーンデバイスの割合
*5:旧ルネサス製品の2023年度の売上金額に占めるルネサス グリーンデバイス(2023年度に開発し量産開始した旧ルネサス製品とその系列製品)の割合
ルネサス グリーンデバイスの鉛フリー製品について
ルネサスの半導体製品は、多くの製品に搭載され、世界各国で使用されます。このため、製品に係る環境関連法規を遵守すべく主要国の法規制の情報を入手し、当社グループ製品に反映させるとともに、お客様へタイムリーに化学物質の含有情報などを展開しています。また、その中でも半導体製品や電子機器に対する要請が高まっている製品の鉛フリー化についても、ルネサスは積極的に使用削減に取り組んでいます。
鉛フリー製品の開発品種数の割合 | |
---|---|
ルネサス グリーンデバイス新規開発 | 90% |
ルネサス スーパーグリーンデバイス
ルネサスのグリーンデバイスの中からさらに性能が優れた製品を「スーパーグリーンデバイス」として認定しています。
評価項目 | 基準製品と新製品の比較 | |
---|---|---|
省資源評価 |
| 50%以上削減 |
省エネルギー評価 |
| |
化学物質含有量評価 |
|
ルネサス グリーンデバイス・スーパーグリーンデバイス紹介
年間数百品種の開発品から環境性能が優秀と認定された「ルネサス グリーンデバイス」「ルネサス スーパーグリーンデバイス」は、データベースに登録し、その中で公開可能な一部の製品についてはWebサイトで公開しています。
今後、グリーンデバイス認定製品への表彰制度設置の検討など、環境配慮型製品の創出促進を図っていきます。
ルネサス グリーンデバイス・スーパーグリーンデバイス紹介(2023年 開発完了製品)
公開可能な製品から抜粋
製品名 | 種別 | 用途 | 特徴 |
---|---|---|---|
R7F102G4E3CNP R7F102G4C3CNP R7F102G4E2DNP R7F102G4C2DNP | 低消費電流・静電容量タッチチャネルを搭載MCU | 家電、民生機器、産業機器用 RL78汎用マイクロコントローラ | 業界最小レベルの低消費電流に加え、豊富な静電容量タッチチャネルを搭載。16-48ピンの多様なパッケージと32KB~64KBのフラッシュ・メモリを揃えることにより、新世代RL78汎用マイクロコントローラをラインアップ RL78/G22製品紹介 |
R7F123FMG5AFB-C R7F123FLG5AFB-C R7F123FGG5AFB-C R7F123FBG4ANP-C | アクチュエータ/センサ制御用16ビットMCU | 車載用 | 高い信頼性を必要とする次世代スマートアクチュエータ&センサ、ローエンドボディECUを実現するのに理想的な製品 RL78/F23製品紹介 |
R7F124FBJ4ANP-C | アクチュエータ/センサ制御用16ビットMCU | 車載用 | 高い信頼性を必要とする次世代スマートアクチュエータ&センサ、ローエンドボディECUを実現するのに理想的な製品 RL78/F24製品紹介 |
R7FA8M1A*ECFB R7FA8T1A*ECFB R7FA8M1A*ECFC R7FA8D1**ECFC R7FA8T1A*ECFC R7FA8M1A*ECFP R7FA8T1A*ECFP | RAファミリArm® Cortex®-Mベース 32Bit MCU | 一般産業・民生用 | 複数の低消費電力モード、電源ドメインの分離、低電圧動作、高速ウェイクアップ、低い動作電流と待機電流の組み合わせなどにより、システム全体の消費電力を低減 RA4M3製品紹介 |
R7FA6E2BB2CBB R7FA6E2BB2CBC R7FA6E2B92CBB R7FA6E2B92CBC | RAファミリArm® Cortex®-Mベース 32Bit MCU | 一般産業・民生用TrustZone®搭載汎用マイクロコントローラ | TrustZoneを備えた200 MHz動作のArm® Cortex®-M33コアをベースに、コストと機能のバランスを追求しており、エントリーラインのマイクロコントローラとしてクラス最高レベルの性能を実現。 RA6E2製品紹介 |
R7F101G6G4CSP R7F101G6E4CSP R7F101G6G3CSP R7F101G6E3CSP R7F101G6G2DSP R7F101G6E2DSP | 低消費電力8/16ビットMCU | 家電・民生機器・産業機器用 | 最大動作周波数48MHzのCPU動作とフレキシブル・アプリケーション・アクセラレータ(FAA)を搭載したRL78ファミリMCUの中で最高レベルの処理性能を持つマイクロコントローラ。さらに、強化されたアナログ機能と豊富なタイマを搭載し、モータ制御、電源、照明アプリケーションに適している。FAAは演算専用のコプロセッサであり、CPUとは独立して動作させることが可能なため、より高い処理能力を実現 RL78/G24製品紹介 |
R9A09G057H48GBG | ルネサス独自のAIアクセラレータ(DRP-AI3)、クアッドArm® Cortex®-A55(1.8GHz) Linuxプロセッサ、デュアルCortex®-R8(800MHz)リアルタイムプロセッサを搭載したMCU | 産業用(自律型ロボット・ファクトリオートメーションなど) | AIアクセラレータ以外にもう1つの動的再構成プロセッサ(DRP)を搭載しており、OpenCVなどの画像処理やロボットアプリケーションに必要なダイナミクス演算の高速化が可能 RZ/V2H製品紹介 |
ルネサス グリーンデバイスの環境への貢献
ルネサスは当社の製品やソリューションを通して人々の暮らしを楽にし、より良い世界を創造する未来を築くことに貢献したいと考えています。身の回りのモノ全てがインテリジェントになり、相互につながる世界では、高度な演算性能が求められます。加えて、エネルギー効率と堅固な安全性やセキュリティへの要求もさらに高まります。これらの要求に応えるルネサス グリーンデバイスがお客様のシステムに搭載されることで、最終的により環境にやさしい社会の実現に寄与するものと確信しています。
ルネサス グリーンデバイスは製品そのものの資源、エネルギー、使用禁止化学物質の削減のみならず、製品・ソリューションとしてお客様の商品の中にシステムとして組み込まれることで、お客様の商品のエネルギー消費効率の向上に貢献します。また、お客様の商品が使用される社会全体のエネルギー効率を向上させることにも貢献しています。
ルネサスは、自動車、Factory Automation(FA)、通信インフラ、医療・ヘルスケアなど、社会の根幹をなすミッションクリティカルな事業分野において、持続可能な社会に貢献する製品やソリューションを提供することをコア事業のひとつとしています。具体的には、環境負荷の低い低消費電力製品や人々の生活を安心安全なものとする製品やソリューションの提供のための製品開発、それを支えるイノベーションのための研究開発に注力して取り組みます。
持続的な社会の実現に貢献するルネサス グリーンデバイスのソリューション*7
ルネサス グリーンデバイス | ||
---|---|---|
ミッションクリティカルな事業分野 (自動車、FA、通信インフラ、医療、ヘルスケアなど) | 他事業分野 | |
クリーン輸送 | エネルギー効率 | 他事業分野 |
|
|
|
ルネサス グリーンデバイスのソリューション別売上比率*8
2023年度のルネサスのグリーンデバイス売上の内、ミッションクリティカルな事業分野(グリーンボンド適格ソリューション)は67%、内、スマート自動車ソリューションや電気自動車向けが38%、データセンターやセルラーなど社会インフラ向けが29%を占めています。
*7:ソリューションは当社が2021年11月に発効したグリーンボンドにおけるグリーンボンドフレームワークのグリーン適格カテゴリーに準じて分類しています。
*8:ルネサスのグリーンデバイス(2023年度に開発し量産開始した旧ルネサス製品とその系列製品)をグリーンボンド適格ソリューションに分類し、グリーンデバイス製品の売上を分母として各ソリューション別の比率を算出。分類できなかった他事業分野の製品比率は33%です。
お客様のシステムを通じて持続的な社会の実現に貢献する製品・ソリューションの詳細はこちら
サプライチェーンにおける製品環境品質
ルネサスは、開発・設計時の部材選定から製造工程での汚染防止にいたるまで、全工程を通した製品含有化学物質管理にはサプライチェーン全体で取り組む必要があると考えています。このため、取引先には使用禁止物質に係る非含有保証書や分析データの提出を求めるなど、サプライヤーオーディットによる管理体制の確認をしています。販売会社および代理店には、使用する包装材の製品含有化学物質管理をお願いしています。
一方、お客様に対しては、当社の製品を安心してお使いいただくために製品含有化学物質情報やRoHS指令による禁止物質の分析データなどを必要に応じ提供しています。また、当社の含有化学物質管理の仕組みや実際の活動状況をお客様に確認していただいています。
環境に配慮したサプライチェーンの取り組みについての詳細は グリーン調達についての詳細は 環境コンプライアンスについての詳細はSDGsへの貢献
ルネサスグループの化学物質への対応に向けた取り組みは、以下のSustainable Development Goalsに貢献しています。
12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
環境活動
環境に対する取り組み | 環境保全の目標 | 気候変動への取り組み | 水資源を守る | 廃棄物に対する取り組み | 化学物質への対応 | エコプロダクト活動 | エココミュニケーション活動 | 生物多様性保全活動 | 環境データ・第三者検証